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また、『男はつらいよ』の第10作「寅次郎夢枕」では北杜市明野町や韮崎市で撮影しています。
寅さんが旅先で立ち寄った旧家で、商売仲間がその家で急死したことを知ります。身寄りもない彼をその家の人が近くに葬ったというんです。で、その墓へ寅さんがお参りをすることになります。その場面、そして、その前後の一連の明野町の風景のバックにはビバルディの四季が流れているんですね。墓のうしろには夕暮れの甲斐駒がありました。他の「男はつらいよ」にはない、えらく心象的なシーンだと思います。
そうそう、映画に出てくる旧家の長屋門が、韮崎市穂坂町三ツ澤にあった平賀文男の家のそれであると言えば、興味を覚える人があるかもしれません。あまりに細かいことになるので、それについては番組では話しませんでした。私がこれを知ったのは、樋口清作さんの『平賀文男ノート』(白山書房)でした。
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