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夏の日本アルプスの写真なんかを見ると、世にもさわやかに見えるけれども、日よけの下でじっと座っているわけでなし、行動すれば、じりじりと夏の日差しが容赦なくて暑い。
納涼山歩きは標高の高い樹林帯に限る。というわけで、猛暑の夏に毎度お世話になるのが麦草峠付近である。なにせ車から降り立ったところがすでに2000mだというのだから実に手軽である。それだけに人気の観光地なので、歩くにも工夫がいる。
表通りをちょっとはずして裏通りに入れば、誰もいなくなるのは街も山も一緒で、そんな裏通りの山「冷山」なんて名前からして納涼だと、何度も繰り出した。道がないから、登るたびに違うところを歩くので面白い。でも今回は、もっと軽く歩けるところをと考えて、数年前に歩いた麦草峠越えを3分の1くらいの行程に縮小して周回コースを設定した。
自分の興味で未踏の部分を取り入れたが、行く手にコメツガの幼木が密集しているのを見てあっさりと撤退、かつて歩いたことのあるシラビソの森に再び入ることにした。
ちょうどその森の中で昼時となったので昼食の大休止とした。ところが、再び歩き出したときに、前にも来たところだと磁石も見なかったのは油断大敵、森から飛び出したところがなんと森に入ったところだったのにはびっくり。知らぬうちに森の中を弧を描いて歩いたことになる。気を取り直して、再び森に入り、あとは順調に予定のルートをこなした。
空には黒い雲があったが、なんとか降られずに済むかと思っていたら、森の中が突然シーンとして、つまり、鳥の鳴き声がまったくしなくなった。おや、これは何の前触れかと思ってまもなく雷鳴がとどろき、驟雨となった。
参加の皆様、お疲れ様でした。
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