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4日に歩いた天の河原南稜をもう一度歩いてみようと思ったのは、その日には方向をちょっとあやまって、わずかながらではあるが、予定していた部分を歩きそこなったからだった。前回はIさんとふたりきりだったので、今回参加の面々が初めてなのも好都合である。
そして昨日、そのわずかな部分が富士を眺めるのには絶好の場所だったことを知った。
八ヶ岳や甲斐駒はすっぽりと雪雲に入っているが、富士や金峰はすっきりと見えている、つまり、典型的な八ヶ岳南麓の冬の風景である。
4日と同じく天女山からでは短すぎると、美し森を出発点としたのは、美し森から天女山の間を歩いたのは、もう20年も昔のはなしで、それは、学校遠足の定番コースとて、そんな団体に出くわしてもかなわないと敬遠していたからだった。
真冬ならそんな団体もいないし、ごく有名な地元のコースをたまには歩いてみるのも悪くないと思ったのである。が、これが遠回りにしてもいささか勝手が違った。もっと簡単に歩いたように思っていたのが、記憶なんてあてにならないもの、こんなに長かったかと思ったし、道々の様子もほとんど覚えていなかった。
風さえなければ南向きの日当たりのいい場所を歩くのだから、氷点下10度といえども大したことはないのだが、あいにく風が強かった。それでも、これだけの絶景を眺めながら歩けるなんてぜいたくの極みである。
さて、天の河原からは方向を定めて、前回歩きそこねた防火線に向かう。途中、百頭を越えるほどの鹿の群れが前を横切っていった。
今回は狙い通りに出た防火線が、まさかそのために伐り開いたわけでもあるまいが、まるで富士山をうまく収めるためにカラマツを伐ったような防火線だったのである。
こりゃ、新緑と黄葉が楽しみなことである。
参加の皆様、お疲れ様でした。
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