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中村好至恵さんの展覧会をめぐるツアー第2弾は、小川村の、それも最高のロケーションに建つ宿に泊まることになっていたので、天気が心配だったが、あいにくの予報であった。
各地から集まった総勢5人、お互いに初めて会うという方々ばかりだったが、あっという間に打ち解けたのは、山を共通の楽しみとする、わが山旅ツアーの常である。
まずは安曇野山岳美術館では、館長さんに茶菓子を呼ばれるなどの歓待を受ける。その後、営業日でもないのに押し掛けた絵本屋こごみで庭の散策をし、コーヒーまでごちそうになった。そして、こんなときでもなければ、なかなか行く機会のない大町山岳博物館に行く途中でついに雨となった。
暗くなる直前、「星と緑のロマン館」なる宿に到着、広々とした部屋をぜいたくに使い、また、食事もすこぶるぜいたくであった。
小川村でももっとも高いところにある宿には、そのさらに高台に天文台があって、夜はプラネタリウムSHOWがあるというので、ふたりが見物に行き、とても良かった由。お客はふたりだけだったそうな。行かなかった残りの3人は、部屋で日本酒をちびりちびりと飲みながら、ロマン館でロマンを語っていたのである。
あくる朝、濃霧だった。それでも北アルプス方面に黒い山体がたまに見えるが、あれは前衛の山であろう。
小川村での展覧会の開場時間に合わせてゆっくりと出発した。まずは三重塔で有名な高山寺を訪れ、その後、アルプス展望広場へ。五里霧中、残念とたたずんでいるうちには、至誠天に通ず、雲海の上に展望図にあるとおりの北アルプスが、しかも、昨晩は相当冷えたのだろう、季節外れの雪に覆われて現れたのには驚いた。日頃の行いがこういうときに作用する。これからも真面目に正直に生きて行こうとアルプスの山々に誓った。
そして中村さんの展覧会をゆっくりと鑑賞したのち、敵は本能寺にありと、りんごなど地元の物産販売所でしこたま買い込んだ。さて次はどこへ行こうかと、いわさきちひろを観ることにして行く途中、休館日と判明、ならば碌山かと転進したのがかえって良かったように思う。
最後に田淵行男記念館を訪ねるころには、常念山脈も姿を現していたのは上出来で、信州アートツアーは無事大団円となったのである。
参加の皆様、お疲れ様でした。
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