| TOP | ホーム | ページ一覧 |

No.4382 への▼返信フォームです。


茜屋珈琲店・・・ >>
クマジィ 2024/06/08(土) 03:11
.gif / 2.3KB 茜屋珈琲店と言えば、珈琲好きの方なら知っている人も多かろうと想像する。もともとは三宮駅(兵庫県)近く、旧いビルの2階にあったのだが、旦那さんが大阪心斎橋の大手百貨店の隣に船越珈琲店として確か1969年に新装開店した。

当時の私は大阪支社転勤を命ぜられ、地下鉄心斎橋駅から徒歩5分の支社に通勤していた。転勤したばかりで親しい同僚もいなかった私にはこの珈琲店が唯一ゆっくり寛げる癒しの空間でもあった。仕事帰りや昼の休憩時に通い、クラシック音楽が流れる店内のカウンター席の隅でデザインされた洒落たコーヒーカップ(大倉陶園製カップということを後に店主から聞いた)で飲むのではなく頂く感じ深煎り珈琲は最上の喜びだった。そしていつからだったか店名も「船越」から「茜屋」に変わった。

白シャツに黒の前掛け、そしてメガネが良く似合う店主の本名は船橋精一郎さんと言って、とてもダンディな方だった。東京本社から転勤して来たことを知った店主は、お客さんの少ない時は良く世間話をしてくれた。
ある時、カウンターの隅に「珈琲野郎」とタイトルの付いた出版されたばかりの本があったのを見てさっそく本屋さんで購入し読むことにした。読み終えて「マスター、本を読みました」と言ったところ「有難うございます。本のカバーが気に入らないのでこれに替えて下さい」と店の入り口を新しくザインした白黒のカバーを頂いたこともあった。(本来はカラー刷りで店主が描かれてあった)

3年ほどして本社に戻り数年の後、都内の銀座、六本木などに数店茜屋珈琲店がオープンした。その後、船橋夫妻は終の棲家として軽井沢に移住して茜屋珈琲店を開業、代官山に住んでいたとき、オーナーが軽井沢に行こうと誘ってくれた際、茜屋珈琲店に寄ったところ私のことを覚えていてくれたのが嬉しかった。という、話せば長い茜屋珈琲店にまつわる物語である。【20240608(土)】



Name
Mail   URL
Font
Title  
File  
Cookie  preview    Key