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読書日記―25(2) >>
クマジィ 2024/09/25(水) 02:52
.gif / 2.3KB その1にも書いたのだが、イラストレーターの福山小夜さんに触れると、高倉健(本名:小田剛)さんが福山さんに「うちの先祖の人が、こういう手記を残しているが、これを分かり易く読めるようにならないだろうか」と旧知の福山さんに話したことから出版社を通じて田辺聖子著の「姥ざかり花の旅傘―小田宅子の東路日記」が生まれた。

東路日記の内容は【江戸、天保の頃。筑前の商家のお内儀達がお伊勢詣りに出立する。一行は、仲良し五十代女四人と荷物持ち兼ボディガードの男三人。家業を子に譲ってから、和歌を学び、古典の教養溢れる女達の旅はエネルギッシュ。伊勢参宮から、信濃の善光寺、ここまでくれば日光詣りもと突き進み、江戸見物から東海道、京・大坂へ、海路陸路の五ヶ月八百里一。生気躍動する女旅の豊かな愉しさが甦る知的冒険お買い物紀行。】だ。

著書には、山形県庄内町が生んだ幕末の志士清河八郎(西遊草)とイギリス人女性旅行家イザベラ・バード(日本奥地紀行)が東路日記と並行して紹介されている。清河八郎は荘内藩士ではないが、名字帯刀を許され、尊王攘夷思想を広めようと全国行脚をしながら、その土地の名所・旧跡の感想や人間観察を細かく記している。バードも同じようなことを日本奥地紀行に書いていることから当時の紀行文として貴重な資料と言われ、商家のお内儀達が見たのと比較しているころが面白い。

私たちの元気・まちネットは清河八郎(回天の門や西遊草)とバードが歩いた山形路の魅力を探索し、山形新聞や他の新聞を通じて多くの人に広めてきたこともあり、ちょっとややこしいが、伊集院静―福山小夜―高倉健―小田宅子―田辺聖子―清河八郎―イザベラ・バードへと繋がったのである。本は実に面白い。【20240925(水)】



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