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研修期間を終えて公園緑地室に配属された私を先輩(同期入社でも4歳年上)達は温かく迎えてくれた。もともと明るい性格だった上に、30分は早く出勤して、お湯を沸かしている間に先輩方の机(袖机の上に製図台が乗っかていた)を拭き、灰皿を綺麗にし、出勤した先輩にお茶を出していたことが好感を得たようだ。
工業高校で3年間、図面を引いていたのだから製図(退職する頃まで図面は手書きだった)は得意とするところだった。先輩たちは大学で理論は学んだとしても測量や製図などしてこなかったものと思われ、ラフスケッチは出来ても見積もりが出来るような細かな図面作成などは殆どの先輩は出来なかったように思う。 周囲の人の多くが大卒だったが、この図面作成が得意だったことが総合コンサルタントに10年間も居続けることが出来たのではないかと思う。
東大の日笠研究室(都市計画)にもS先輩に連れていかれ、先輩たちがラフデザインしたものを作図して褒められ、その上バイト料も頂いたときは嬉しかった。その美味しい研究室通いは2年間ほど続いた。実は高校の卒業制作でA1サイズの作成した図面はその後、10年ほど模範図面として製図室に飾られていたことを地元の同級生に聞いたことがある。学歴コンプレックスの塊だった私だが「芸は身を助く」ものがあったのが幸いした。【20250409(水)】
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