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No.165 への
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です。
▼ 天河外伝感想B
引用
あんこう椿 ..2007/06/17(日) 10:23 No.165
◆コロまゆさん
お忙しい中、外伝の感想、ありがとうございました。
大変、読み応えのある感想で、嬉しかったです。他の天河サイトをざざっと見たんですけど、どこも全然大したこと書いてなかったですねぇ〜
まあ、本音は書けないのかも知れませんが・・・
普通、同人色の強いファンサイトであれば、原作者に批判的な感想なんて一言だって書けませんわよね?
しかしながら、あんこう椿は同人系さんたちの排他的な考え方が嫌いなので、まあ、言い方に注意すればOKな訳です(笑)
辛口になっちゃうけど、原作ファンとしての本当の気持ちを表明するのは、それは本当に原作に魅力を感じ、原作作品を大切に思っていて、愛着があるからこそ出てくる訳で、そこまで思い入れのない作品であれば、それほど辛口の感想だって出てこないと思いますけどね。
私の外伝感想は、原作に対する深い愛あってからこそのもの、と受け取って欲しいと思いますが・・・
ところで、篠原先生って、ものすごく絵が上手ですよね。
特に、体の線がすごく美しく描けているでしょう?(ひるがえって、ちょっと、最近の若い漫画家の、線が多すぎたり、異常にデフォルメされた絵は苦手だし、魅力を感じない)
長編漫画をたくさん描いてあるだけあって、ストーリーテラーとしての技術力は高水準にありますから、それをそのまま小説スタイルに置き換えても、少女小説家レベルの作品は難なくこなせるんでしょうね。
ただ、読んでいて感じるのは、篠原先生って、漫画スタイルで創作しているときと、小説スタイルで創作しているときでは、登場人物に対する思い入れの程度というか、肉迫するレベルが違っているんじゃないかしら??ということです。
私は小説スタイルしか書けませんから、文字によってしか登場人物に切迫していけませんけれど、篠原先生は絵も描けるわけで、人物の顔の表情や仕草を描いているときに、初めてその人物に深く切迫していけるような習慣が長年身に染み付いてしまっていて、そのために、今回、文字だけのスタイルだと、カイルというキャラクターの上っ面だけを撫でただけで終わってしまい、あのような浅薄な作品になってしまったのかな、などと思ったりもするわけです。
まあ、「暁に立つライオン」などを読むと、それぞれの人物に自分の魂を吹き込んで、というよりは、魂のない人形を配置してそれぞれストーリーの展開に合わせて動かすだけの作風、とも感じることもありますが・・・
しかし、もしそうだったらとしたら、篠原先生は、桑原武夫先生の言う「よい文学には新しさ、誠実さ、明快さがある」のうちの、一番大事な「誠実さ」(←トルストイも「芸術とは何か」で作家の資質にとって一番大切なものと強調しているらしい)に、そもそも欠ける作風スタイルということになりますね。
でも、それでは、天河は一体なんだったのでしょう? 誠実さパワー全開の作品ではありませんか!?(笑)
▼ 天河外伝感想Bの続き
引用
あんこう椿 ..2007/06/17(日) 10:25 No.166
以下は、コロまゆさんの感想に沿って書きますね。
>皇族の方々の名前や実際に物語を動かしている登場人物の多いこと。
同感でした。そして、思った以上にシュッピーのお妃の数の多いこと!!(笑)
ヒンティ皇妃って、妹と一緒にシュッピーに仕えていたのねとか、意外な発見が多かったです。
>ヒッタイトでは複数の女性と関係を持つのは自然ですし、カイル皇子のような高貴な人から寵を受けるのは誉れであり、寵を与え親密になることは、カイルからすれば傲慢でも侮蔑に値することではなく・・・
このあたりは、そのとおりだと思います。
現代に例えるなら、例えば、ジョニー・デップや、オーランド・ブルームが、ファンの女の子の1人と関係を持った、という感じに近いですよね。
あるいは、イギリスのウィリアム王子とか・・・
例え、一晩の関係でも、女のグレードがかえって上がってしまう感じに近く(周囲もそう評価するし)、例え、その後、別の男性と知り合っても、
「えっ、君、オーランド・ブルームと付き合ってたの?ひゃ〜、そいつはすごいや!!」
と、かえって、尊敬を勝ち得ちゃう感じですよね。
相手がビッグだと、傷物にはならず、かえって名誉になってしまう・・・女性の社会的価値はやはり性行為の相手の男性の社会的序列に左右されるんでしょうかね?(笑)
>シーラがカイルに渡した書簡ですが、とっても重要なものでしたよね?そのような物を、ナキアは自分で叩き割って処分すればいいのにシーラに依頼したのは、カイルに渡すことを見越していたんでしょうね?
>ザナンザ拉致、書簡と引き換えには、まだまだ罠が張り巡らされているのでしょうか?
そういえば、ナキアは水盤で覗き見をすることが出来ましたよね(懐かしい場面)
カイルの動きなんか、ナキアにとっては「お釈迦様の手のひらの孫悟空」みたいなもんでしょうか?(笑)
外伝では、ナキアは隠棲したような暮らしをして、ひっそりと大人しかったので、カイルもまだその邪悪さの程度に気がついていなかったという設定なんでしょうか?(それで手段を誤った??)
でも、我々は本編のナキアの悪辣さをよく知っているので、そういう前提で読んでしまうので、カイルの行動が思慮を欠くように感じるのかしらね?
う〜ん、それにしても・・・
>でもシーラの場合は、どんなに言葉を尽しても、シーラを手段方法にしてしまっているので、そこには真実がないのです。
そうなんですよねぇ〜
私も、カイルという男性は、愛以外の目的を持って女を抱く男であってはならない、って気がするんですけど・・・
外伝の展開からすれば、どう考えても、カイルがシーラに近づいたのは母ヒンティ皇妃暗殺の真相を探るため、ですよね(母の葬儀の朝、シーラを陥落したので出席が遅れたし、葬儀にふさわしくない赤いローブを握っていたし、兄上好みのいわゆる美人ではない、というザナンザのセリフもある)
それに、2人のベッドシーンの会話を読んでも(あそこ、読むの辛いですな? 笑)、カイルとシーラの関係は対等ではなくて、シーラがすがっている感じですよね。
カイルの、シーラに対する気持ちに恋愛以外の要素がなければ、別にそれでもいい訳です。シーラがすがっていようとなんだろうと、あくまで2人は対等だし、カイルのシーラを抱くという行為にも不純なものはまざっていない・・・
だけど、シーラの肉体を征服し、その好意を利用して、ナキアが母ヒンティを殺害した証拠探しをさせるのはねぇ〜
▼ 天河外伝感想Bの続き その2
引用
あんこう椿 ..2007/06/17(日) 10:26 No.167
しかも、カイル、そのことの罪深さを全く自覚していないでしょう?
「では、もう忍んでくるのをよそうか」← わっ、なんて冷酷なセリフ!!
「殿下、いいものを差し上げましょうか?殿下が欲しがっていらしたのは、これですか?」「これだ、これが欲しかったんだ。感謝する」
↑これだって、シーラは暗黙のうちにカイルの要求を感じ取っていて、それに沿った行動をさせているという訳でしょう?それなのに
「お前が知らないのならそれでいい。そのことは忘れろと言っておいたはずだ」
って言うのはね、あまりにもご都合主義だし(言っていることとやっていることが違う)、自分の発言を否定して(無意識にだろうけれど)自分は命じてないのにシーラが勝手にスパイ活動をしているみたいになるではなりませんか!
そして、極め付けが148ページの
故国からつき従い長く仕えた・・・しかも、自らが手にかけたであろう女官(シーラ)の遺体が安置された部屋に足を入れようともしない女の態度に、カイルはおさえていた怒りを爆発させた。
「ナキア妃、あなたは恐ろしい方だ。なぜこんなことを・・・!?そんなにこの国の女性としての最高位が欲しいのですか!?」
カイル君、お前がそれを言うかいっ!!って感じなんですけど(笑)
だって、ナキアにしてみれば、故国からつき従い長く仕えた女に裏切られていた訳でしょう?信用はしていなかったとしても、それでも、日常の世話はさせていたわけで、しかも、シーラの人柄から推測する限り、虐待したりしていた訳でもなくて、まあ、普通の上下関係ですよね?
その女官が恋に狂って自分をピンチに陥れる活動をしていた訳ですから、シーラの遺体に対して冷酷になるのは、ごく普通のことなんじゃないのかしら?このあたりは、私としては、ナキアの挙動の方に共感できる訳です。
それで、カイルのこのセリフ(ナキア妃、あなたは恐ろしい方だ)ですが、これって、自分の罪深さにまったく無自覚だからこそ出てくるセリフなんじゃないかと・・・
カイルって、自分の対処が後手に回ったことは悔いていても(「またしても出遅れてしまった」というセリフがある)、シーラを巻き込んだことに関しては、あまり深く反省はしてないですよね?
「シーラを巻き込む必要があったのか。悔やんでも悔やみ切れない。こんなことにならないように注意してきたつもりだったのに」というセリフはありますが、これも言行不一致の典型で、その後の展開と合わせて読むと、非常にそらぞらしい感じがする。
そもそもカイルがシーラに近づかなければ、シーラはナキアを裏切ることもなかった訳で(カイルがシーラの肉体を征服しなければ、シーラがあんなに必死になってカイルの歓心を買おうとすることもなかったはず)、そういう意味でカイルはシーラの純情さとか女としての弱さ、可憐さを利用している訳ですが、そのことにまったく罪の意識を感じていないから、単純にナキアに対して怒りを爆発させることができるんじゃないかと思うんですよね。
本当に恐ろしい人というのは、こういう罪深さを全く自覚しないカイル君、君の方なんだよって、感じですね。
ああああ〜、カイルって、本当にこんな人物だったのかしら??
私が今まで買いかぶり過ぎていたのかしら??
っていう感じで、本当に気分がどどどよ〜〜〜んって感じです(笑)
例えばね、シーラが日常、ナキアにいじめられていて恨みを持っていたりとか、あるいは、正義感に燃える女の子で、ヒンティ皇妃殺害の真相を明らかにしたいという使命感に燃えていたとすれば、また、全然カイルに対する印象も異なってくる訳です。
でも、この外伝のシーラは、そんな感じじゃないでしょう?
ナキアが嫌いだったら、ナキアの女官を辞めれば良い訳です(まあ、職業が限られている以上、そうした選択肢はないのかも知れませんが)でも、ナキアが嫌いという訳でもなく、女主人に対してはしきりに申し訳なく思っているし、恐縮しているだけです。
そんなふうに、ナキアに仕える以上は、例え邪悪な女だとしても、ナキアに誠実に仕えるのは女官の道だし、人間としての誠実さではないかしら?
ナキアの侍女としてとどまりながら、ナキアをピンチに陥れる活動をするなんて、本来、人間としての誠実さに反している訳ですが、それでも、外伝のシーラに魅力があるのは、恋人のカイル皇子に尽くそうとする女としての可憐さがあるからなんですよね。
なんだか、25年くらい前の大昔の事件でしたけど三和銀行の伊藤素子の事件を思い出しました。
※伊藤素子
昭和56年(1981年)にあった、三和銀行の伊藤素子(32)の1億3千万円詐取の事件。
愛人と共謀の上、あらかじめ同銀行の5支店に架空人名義の預金口座をを開設し、その口座に
振替入金があったように入力。
大阪、東京の3支店の窓口で現金1億3千万をだまし取ってフィリピンのマニラに脱出した。
現金搾取からマニラ逃亡、潜伏のすべては愛人の南敏之という愛人の指示に従ったこと。
「好きな人に上げる為にやった事です。」動機について獄中の伊藤素子は、こう語った。
伊藤素子は美人だったので、獄中にファンレターが届くなど、何かと話題をふりまいた。
最近は、さすがに若い女の子たちがドライになってきているので、こういう事件はありませんね(笑)
まあ、その分、女が生きやすい世の中になっているのかもね。
レベルの違いはあるけど、外伝のカイルがやっていることは、この伊藤素子のヤクザな愛人と同じことなんじゃないだろうか??
「住宅と年金支給」は、まあ、「利用料・感謝料&ヒンティ皇妃殺害真相究明のための貢献料」って感じでしょうか?
もしかしたら、原作者は、ナキアVSカイル、開戦第1回は、カイル君の負けを書きたかったのかしら?
結局、本編読者としての我々は、ナキアが皇妃になることは知っている訳で、真相は闇に葬られるという結論は見えている訳ですよね。
そういう意味で、14歳カイル君の「若気のいたり」を書くつもりだったのかしら???
いや、そもそも、どこまでやる気があって書いているのかしら??私、多大な労力をさいてサイト運営しているのですが、果たしてそこまでの価値が本当にあったのかしら??とむなしくなったり、もうやめちゃおうかしら、とやる気をなくしたり・・・
などと、やっぱりアクセス制御でないページで、辛口感想を書いているあんこう椿なのでした(笑)
篠原先生、ごめんなさいです(恐縮〜〜〜)
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> ◆コロまゆさん > > お忙しい中、外伝の感想、ありがとうございました。 > 大変、読み応えのある感想で、嬉しかったです。他の天河サイトをざざっと見たんですけど、どこも全然大したこと書いてなかったですねぇ〜 > まあ、本音は書けないのかも知れませんが・・・ > > 普通、同人色の強いファンサイトであれば、原作者に批判的な感想なんて一言だって書けませんわよね? > しかしながら、あんこう椿は同人系さんたちの排他的な考え方が嫌いなので、まあ、言い方に注意すればOKな訳です(笑) > > 辛口になっちゃうけど、原作ファンとしての本当の気持ちを表明するのは、それは本当に原作に魅力を感じ、原作作品を大切に思っていて、愛着があるからこそ出てくる訳で、そこまで思い入れのない作品であれば、それほど辛口の感想だって出てこないと思いますけどね。 > 私の外伝感想は、原作に対する深い愛あってからこそのもの、と受け取って欲しいと思いますが・・・ > > ところで、篠原先生って、ものすごく絵が上手ですよね。 > 特に、体の線がすごく美しく描けているでしょう?(ひるがえって、ちょっと、最近の若い漫画家の、線が多すぎたり、異常にデフォルメされた絵は苦手だし、魅力を感じない) > 長編漫画をたくさん描いてあるだけあって、ストーリーテラーとしての技術力は高水準にありますから、それをそのまま小説スタイルに置き換えても、少女小説家レベルの作品は難なくこなせるんでしょうね。 > > ただ、読んでいて感じるのは、篠原先生って、漫画スタイルで創作しているときと、小説スタイルで創作しているときでは、登場人物に対する思い入れの程度というか、肉迫するレベルが違っているんじゃないかしら??ということです。 > > 私は小説スタイルしか書けませんから、文字によってしか登場人物に切迫していけませんけれど、篠原先生は絵も描けるわけで、人物の顔の表情や仕草を描いているときに、初めてその人物に深く切迫していけるような習慣が長年身に染み付いてしまっていて、そのために、今回、文字だけのスタイルだと、カイルというキャラクターの上っ面だけを撫でただけで終わってしまい、あのような浅薄な作品になってしまったのかな、などと思ったりもするわけです。 > > まあ、「暁に立つライオン」などを読むと、それぞれの人物に自分の魂を吹き込んで、というよりは、魂のない人形を配置してそれぞれストーリーの展開に合わせて動かすだけの作風、とも感じることもありますが・・・ > しかし、もしそうだったらとしたら、篠原先生は、桑原武夫先生の言う「よい文学には新しさ、誠実さ、明快さがある」のうちの、一番大事な「誠実さ」(←トルストイも「芸術とは何か」で作家の資質にとって一番大切なものと強調しているらしい)に、そもそも欠ける作風スタイルということになりますね。 > でも、それでは、天河は一体なんだったのでしょう? 誠実さパワー全開の作品ではありませんか!?(笑) > >
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