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No.155 への▼返信フォームです。


▼ 消費者マインド   引用
  あんこう椿   ..2007/05/24(木) 06:38  No.155
 
 
◆Rionさん

 おはようございます。レスが遅くなってごめんなさいね。
 今夜は眠れなかったのでラストを更新できましたよ。

 少女コミックは、天河連載当時は買っていましたが、連載終了後はパッタリです。
 そして、買っていたときも天河以外は読まなかった・・・だって、あまりに、つまらなくて(笑)

> なんだか、最近の少女漫画はどうも、告白=Sexで結ばれているような気がして・・・涙

 最近、ここ1ケ月くらいのことですが、寝る前に必ず読んで再読を繰り返している本で、

 内田樹著 「下流志向 学ばない子供たち 働かない若者たち」 講談社 1400円

 というのがあるのですが、そこに書いてある「消費者マインド」とか「無時間モデル」という現代人の思考形態の特徴が、非常に鋭く本質を突いていて大変面白いですよ。

 現代人は(若い子は特に)、生まれつき消費社会の構造に浸っているので、時間をかけて恋愛関係をじっくり育てていくという観念がそもそもないんだそうです。

 お金を払って商品を買う = 告白してSexする ← 等価交換で無時間モデルですよね。

 ちょっと寝てみて、あんまり上手じゃなかったら、もっと快楽を与えてくれる相手をまた物色し始める・・・また違う相手と寝てみて、合わなかったら、次の相手を探す・・・というような刹那的な関係を繰り返している人が多いんだろうと思います。
 つまり、恋愛の相手が「商品」なんですよね。こういう思考形態を「消費者マインド」というらしいです。

 サン・テグジュペリの「城砦」にも書いてあることですが、ロープウェイに乗って山頂に着いて見る山の景色と、山裾から何時間もかけて汗水たらして山頂にたどり着いて見る山の景色は、まったく同じものでありながら、全然違うものになるそうです。
 自分の力で登って見た景色の方が、格段に美しいという訳ですね。

 ロープウェイでたどり着く思考形態が消費者マインド、無時間モデル、告白=Sex で
 自分の力で山を登る思考形態が、サン・テグジュペリマインド、時間の流れの中に自分を置く思考、カイルとユーリの愛情関係

と比較するとわかりやすいかな?(笑)

 ものすごく大人の話になりますけど、きっと、消費者マインドで手に入れる快楽は底が浅いんじゃないかしら?
 私自身は消費者マインドで恋愛をしたことがないので、そもそも比較ができずわかりませんけどね。

 フランス文学の名作ラクロの「危険な関係」では、消費者マインド男のヴァルモンが、ツールベール夫人に出会って「本当の快楽の奥深さ」を知った訳ですが、同様に天河でも、消費者マインドだったカイルがユーリと出会って、かつてないほど(心の関係はもちろん)肉体の関係にも溺れる訳です。
 それは、女の体の構造に秘密があるんじゃなくて、相手の女性の心情にふさわしいまでに男性が成長するからなのではないかと思います。真の快楽を手に入れるには、努力も忍耐も成長も必要な訳で時間が必要なんですよね(男も女も)無時間モデルでは手に入らない。

 だから消費者マインドでいる限り、砂漠に雨を降らすのと同じで、いくら恋愛を重ねても花が咲くことはないように思います。
 そういう意味で、女は「男を待たせる女」にならなくちゃいけない訳ですが、最近は、そのあたりのことを教える人が誰もいなくなって、本当に性的には放埓(ほうらつ)な女の子が多くなってしまい、かえって可哀想な気がしますね。

 ご本人は性的な自由を享受しているつもりだとは思いますが、それでは、いつまで経っても幸せになれないような・・・気がするんですけど・・・違うかしら(笑)

 Rionさんは、とてもお若い方ですけど、そういう意味では古風な訳で、あんこう椿の予測するところ、きっとこの先、ますます幸せな女性になれると思いますよ。
 だって、思考形態が消費者マインドじゃないですもんね。
(そもそも、私のサイトのパスワード通過者は、消費者マインドの方ではないのですが、それについては後日日記に書く予定)

 素敵な彼とどうぞお幸せに♪

******

 そういえば、今日完結した「風の祝福」のラストで、カイルがイル・バーニに言っている言葉も、要するに「私とユーリの愛情関係は消費者マインド、無時間モデルではない」ということですね。
 この部分を書いたのは約2年前ですが、実にタイムリーなレスでした(笑)




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