あんこう椿 ..2006/08/16(水) 20:56 No.41 |
| 今夜も、かなり以前頂いたメールをご紹介します。たぶん、この方も、私のサイトには今はアクセスしていなと思うんだけど(たぶん今は受験生のはず)
この方のご意見は、普通、サイト管理人にとっては耳の痛い話なので、表には絶対出てこないんだけど、私は、パロディ閲覧者のかなりの人達が、この方と同じように感じていると思うよ、ということで、ちょっと引用させて頂きます。
この方、当時16歳ですが、大変な知性と精神的成熟度を感じさせる文面ですね。でも、やはり16歳らしい潔癖さとか妥協のなさが文面のあちこちから感じられるので、本当の年齢だと思います。
サイト管理人をしていると、同じ高校生でも、こんな素晴らしい文面を書ける子と、本当に用件だけの、ハートのないメールを書いてくる子に接する訳です。 今、日本社会は、金銭的にも、学力的にも、格差が広がっているといいますが、メール1つとっても、本当に格差が著しく広がっているんだな、など実感します。
※ 今はパスワードを新規の方に発行するのは停止していますので、こういう文面を書いてきたらパスワードを発行してあげるよ、という趣旨ではないので、勘違いしないでね。
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はじめまして、○○と申します。 パスワードの発行をお願いしたく、メールしました。 私は高校一年生で、趣味はものを書くことで、HPで公開するなどはしていないのですが、オリジナルや、時々二次小説も書いています。 「天は赤い川のほとり」に出会ったのは、半年ほど前のことです。学校帰りにたまたま本屋さんで立ち読みをしてはまってしまい、(その日はあまりお金を持っていなかったので)次の日に全巻とファンブックを一気に買ってしまいました。 普段はあまり少女漫画を読まないのですが「天は赤い川のほとり」だけは別で、いつでも手の届く場所においています。 私があまり少女漫画を読まないのは、少女漫画に意義を感じないからです。確かに男女の恋愛はそれだけでテレビドラマにもなりますし、素敵なものだと思います。別に恋愛物を嫌っているわけではなく、むしろ大好きです。しかし、最近の少女漫画は、そこにばかり重点が置かれていて、主人公が好きな男の子と結ばれる以外に何も内容がなくなってしまっているような気がします。 主人公が、相手の愛の他に何も得ていないのでは、どうしても、いちずな、あるいは情熱的な恋愛を描いていても、内容が薄っぺらに感じてしまうのです。私はそんな風に考えているので、少女漫画を読んでいると、どれもパターンが違うだけで中身は同じように感じてしまいます。
しかし、「天は赤い川のほとり」は違いました。ユーリたちは私の少女漫画に対する欲求をすべて満たしてくれました。 ユーリはこの物語の中で、カイルの愛だけではなく、ハディたちの信頼を得ましたし、成長して、自分の足で立つことのできる女性になりました。ユーリがずっとカイルに依存していたのではここまで私ははまらなかったと思います。そしてスケールの大きさも私を夢中にさせました。もともと歴史物、ファンタジーは大好きでよく読むのですが、続きが気になって眠れなくなったことなんて、今まで一度もありませんでした。降りかかる困難も、他のヒロインの比ではないし、それを乗り越えた時の成長の度合いも違ってきます。 そういうバックに支えられて、カイルとの一途な愛が引き立っているのではいかな、と私は思います。この作品のどこをとっても、他の作品と同じところはないし、ここまで内容の濃い少女漫画には、今までに出会ったことがありません。 私はネットサーフィンも趣味で、気に入った漫画・小説があったら二次のサイトを必ず探します。私自身が二次作品を書くのが好き、と言うこともあるのですが、それが、本当の作者の書いた本物ではなくても、どうしてもその作品の続きや、番外編を読みたくなるのです。「天は赤い川のほとり」のラストに満足していないわけではないのですが、欲を言うなら永遠に終わらなければいいのにと思ってしまうのです。
しかし、どれだけ二次サイトを回っても、満足できるサイトには滅多に出会えません。それは、文章力などが気に入らないのではなく、作者の意向を無視しているとか、あまりにも元の作品から逸脱し、別物になってしまっていたりするからです。 特にオリジナルキャラクターが出てくるのは言語道断だと思っています。そんなものが出てきたら、「天は赤い川のほとり」の二次ではなく、その書いた人のオリジナル作品になってしまいます。 さらに言うなら、現代の人間がもう一人トリップしてくる、なんていうのはもう絶対に許せません。そんなことをしたら、ユーリのあの世界における希少性が欠けてしまいます。彼女には彼女のよさが有り、彼女にしかなしえなかったことをしてきたのは確かですが、そこには、「泉から出てきたただ一人の少女」という神秘性も少しは起因しているのではないでしょうか。それなのにもう一人泉から出てきた比には、カイルたちがどう思っても、ユーリの価値は下がってしまうし、ラストも変わってきてしまいます。 他にも色々作品のイメージや方向性が違っているサイトが多く、ガッカリしているところで、一ヶ月ほど前あんこう椿様のサイトに出会いました。
「もしもユーリがエジプトで・・・」は相当ハラハラさせられました。五章・六章は読んでいて息が止まる位興奮して、最終章を読み終わった後は暫く何も考えられませんでした。「もしもユーリがエジプトで・・・」も、「もしもハディが間に合わなかったら?」も、こういう可能性があったかもしれないのか、と思うとめまいがする反面そこまで考えていたあんこう椿様はすごいなぁ、と思いました。
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