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雑誌発表形の『シマ婆さん』を初めて読んだのですが、おお!という手応えが私にはありましたよ。これ、合評会で滅茶苦茶言われるだろうなぁとは思ったが、小説としての痛快さでは単行本『老春』に収められた『シマ婆さん』を越えているのではないか。 ちょうど今、手許に「同通」があるので見てみたら、言われてる、言われてる。
村 シマに言うべき遺言をシマが死んでから、シマを意識して、スマンということは、どうしても逃げになる。 針 うん、逃げだ。 村 ここは逃げてはいけない。 針 村上さんなら逃げないだろうが。 村 ゼッタイ逃げない。 針 僕は書けない。 村 書ける書けないではない。 (「同人通信」No.212/道内同人会「125号合評」)
ううっ、凄い。『いつかの少年』が本気で針山氏に詰め寄っている。…という調子で、「同通」が手許にあるといつまでも読んでしまう。仕事にならない。元の資料保存箱に隔離してしまおう。
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