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No.1154 への▼返信フォームです。


▼ 「人間像」第132号 前半   引用
  あらや   ..2025/01/29(水) 15:32  No.1154
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第131号が終わった翌日には「人間像」第132号(114ページ)作業を開始しました。今、針山和美『バブル〈株〉老人』を人間像ライブラリーに挙げたところです。今号は、以下、福島昭午『記憶』、北野広『六十二才の誕生日』、内田保夫『夜のあわいに』、丸本明子『水芭蕉』、土肥純光『廃娼の家』と続きます。

第132号作業を急いでいるのは、『バブル老人』を挙げたことによって、針山さんの単行本『北からの風』の必要条件を満たしたからです。「人間像」発表分はこれでカバーしたから、早く『北からの風』所収の書き下ろし作品三作をやりたくてうずうずしています。この中には、私の好きな作品『山の秋』が入っているんですね。


 
▼ バブル〈株〉老人   引用
  あらや   ..2025/01/29(水) 15:35  No.1155
   「さっきから、格言めいたことを言ってますが、それなんでしょうか」
 すると、先に対局していた一人が、「それは株の格言なんだよ。杉山さんは碁も名人だけど株も名人なんだよ。あまり気にせんで打たないと相手の薬籠にはまってしまうから」
 と、笑いながら教えてくれた。
「そうなんですか。株のことはさっぱり知識がありませんもので、なんのことか意味が飲み込めませんでしたが」
「まあ、下手な知識は持たん方が身のためというもんじゃ。だいたい株は碁と似ているところがあって、定石通りには動かぬものさ。碁だって定石通りでは面白くもなんともないものな。……」
(針山和美「バブル〈株〉老人」)

碁と株に関する専門用語が飛び交っていて、そのどちらも知らない私にはなかなか骨の折れる作業でした。ミスがありましたらご指摘ください。

 
▼ 記憶   引用
  あらや   ..2025/01/30(木) 18:28  No.1156
   自宅の裏は遊歩道をはさんで雑木林が続いている。雑木林とはいえ野幌原始林の一部だから、巨木ばかりの広大な森林に続いている。そもそもこの団地は、原始林の中を切り開いて造成したものである。
 私は混雑する遊歩道を避け林の中の小径を辿ることを思い付いた。といっても月に一、二回くらいのものである。まったく気紛れな思い付きである。それでも小径を辿って林中に閑を求め、沈思黙考、瞑想にふけるといえばはなはだ格好はいいが、どういうわけか林に入ると雑念ばかり泛んでくるのである。
 昨秋、紅葉も終わろうとしているし、今日は秋晴れだから、久しぶりに森の妖精でも探しに行ってみよう、という気を起こしスニーカーを履いた。
(福島昭午「記憶」第2回)

福島さんの作品に時折り姿を見せる「裏の原始林」。子どもの頃私もこの原始林がある町に暮らしていたこともあって、いいなあ…といつも羨ましく思っていたのです。それがまさか、ここにエスコンフィールドなんていうチャラチャラしたもんがやって来るとは考えもしなかったな… 『記憶』、愛読しています。

 
▼ おんせん萬華鏡   引用
  あらや   ..2025/02/06(木) 16:36  No.1157
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 北海道内では殆んどその習慣はないが、本州では暑中見舞いが年賀状に次いで、お互いの消息を伝える季節的な習慣に近いものがあったはずだが、近年急激にそれが影を薄めてきたのは、電話の普及と同時に生活が豊かになって色々な形で避暑の機会に恵まれ、それだけ暑さからの重圧感が少くなったからだろう。
 僅か数枚の暑中見舞い状の中に、今年は川中登記子からのがなかったのが気になった。
 健康を害して定年一年前にホテルを退職してから六年になり、元の従業員仲間からの年賀状は今でも数十枚は届くが、更に登記子からは必らず暑中見舞いが届いてきて十六、七年にはなるだろう。勿論道内の知友人からも唯一のものであったし、それだけに今年の状況はやはり気になった。
(金沢欣哉「おんせん萬華鏡 三」/暑中見舞い)

金沢さんの書く「温泉もの」も楽しみです。今回の『暑中見舞い』もよかったなあ。その『おんせん萬華鏡』の横のページにこんな広告が。へえー、「佐藤ゆり」名で本を出していたことは聞いていたが、これがその本なのか。この第132号作業が終わったら単行本『北からの風』の復刻に入ろうと考えているのですが、さらに続けてこの本もやってみようかな。「月刊おたる」調査もそろそろ1992年に入って来ることだし。

 
▼ 「人間像」第132号 後半   引用
  あらや   ..2025/02/06(木) 16:41  No.1158
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「人間像」第132号(114ページ)作業、終了です。作業時間、なんと「40時間/延べ日数10日間」。収録タイトル数は「2489作品」になりました。

前回、第131号の後半に雪が全然降らないことを書いたのですが、その後一転、第132号作業の最中は連日の大雪でした。朝の雪かきを終えて部屋に戻ってきても30分くらいパソコンを操作する腕の力が抜けたようになって仕事にならない。まあ、小樽はまだマシな方です。12時間積雪量の観測史上最高が、朱鞠内でも羊蹄山麓でもなく帯広(2月4日記録)ってのはなにか意外な感じですね。



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