| 二十八年かかって、大した業蹟を残し得なかったように、残りの人生のすべてを賭けても、或いは何も残し得ないかも知れないが、それはそれで良いのである。自らが信じて賭けた一生ならば、後悔などすべきでないし、また物ほしげなそぶりを見せる必要などないのではなかろうか。たとえば、無名のままであったにしろ、『人間像』の誌上に文字通り生命を散らした瀬田栄之助や古宇伸太郎のありようも、それはそれなりに評価されるぺきものであったと信じたいのである。 (針山和美「百号所感」)
100号まで28年間。人間像ライブラリーも100号まで5年間。これからも健康に気をつけて歩んで行きます。私も、私の人生に瀬田栄之助や古宇伸太郎の仕事が刻まれたことを嬉しく思うひとりです。感謝しているひとりです。
第100号作業は、巻頭の著名人諸氏の挨拶を終え、二三日前から同人の創作部分に入ったところです。本日、朽木寒三『馬と兵隊』をアップしました。以後、冨士修子『街の中で』、白鳥年志雄『黴のはえた墓標』、内田保夫『企業万歳』…と続いて行きます。今号はセレモニー的な色彩が強くほぼ全員出席ですので、最近は書かなくなったなあ…という同人も久しぶりに顔を見せたりしていて、作業するのがとても楽しい。
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