| 図書館で「別冊人間像/平木国夫ヒコーキの小説特集号」をチェックした帰り、児童室の新刊書架で『もうひとつのアンデルセン童話』という本を発見したのでした。「ヒコーキ」の作業をやっている期間、ふーんなるほど…とか言いながら、日本昔話もグリム童話も読んぢゃった。(それくらい「ヒコーキ」は延々と長いのよ…)
それである夜、最後の革を切って、あとはぬうばかりにして仕事台の上におき、二階にあがって寝ました。 翌朝になって、仕事場におりていくと、なんと、靴がぬいあげられていたのです。しかも、それは、こういってはなんですけど、うちの人が作ったものより、ずっと仕上がりがいいんです。 うちの人はその靴をためつすがめつながめて、 「これはなかなかの腕だ」 とうなっていました。 (斉藤洋「サブキャラたちのグリム童話」より「靴屋の小人」)
広瀬弦のかわいい挿絵も相まって、こういう幸福感のあふれる話が夜眠る前にはよかったですね。斉藤洋って、『ルドルフとイッパイアッテナ』の人でしょう。あの本も、私、好きだったなあ。
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