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裏のご隠居Iさんとふたりだけだというので、近場で、車2台を使って遊べるようなルートはないかと考えた。
今年はこれまでずっと伐採地めぐりなので、ものはついでと、金ヶ岳山麓の、まだ行っていない伐採地に行ってみることにした。行人山麓から兎藪西稜を越えて烏帽子岳西稜まで行ってみようというのである。
兎藪西稜の林の雰囲気が大好きで、かつては兎藪登山や金ヶ岳登山、また、春の山椒摘みにと何度も通ったところである。出発点となる行人山の麓には、私が初めて入った25年前には、ゴルフ場建設事務所が廃屋になって残っていた。バブルとともに計画が頓挫したのだろう。ゴルフ場になるはずだった土地は、今では広大なブドウとソーラーパネルの畑になっている。
兎藪西稜の突端は「机」と呼ばれる平坦なところで、かつては、そこまで車道が通じ、最初に行ったときには重機が置いてあった。観光開発するつもりだったらしいが、それも後に頓挫した。
机まで通じていた車道も、今では探すのが難しいくらいになっていた。地理院の地形図にはまだ出ていないが、金ヶ岳茅ヶ岳の北側には観音峠まで林道がとっくに通じている。麓からのかつての車道はそれに合流するあたりから上部が広大な伐採地になっていた。
伐採地の上部まで登らずとも、林道からの眺めはすばらしい。あいにく、山々がすっきりと見られる日ではなかったが、想像はできる。それにしても、まるで3月のような陽気で、前週の八ヶ岳横断歩道での寒さがウソのようである。風が吹くと気持ちがいい。
机を越えれば行程は短くなるが、安全を考えて林道を延々と歩くことにした。車は通らないし、展望のいい林道だから苦にはならない。地形図の湯戸ノ沢は上部では前山沢となるらしい。その沢にかかる前山大橋を渡ったあたりの伐採地が今回の目的だったが、鹿柵に囲まれて入れなかったうえに、すでに植林が育っていて、入れたとしても展望を隠していただろう。
この山麓に縦横無尽に通じる作業道を見つけて下ってみる。途中、20本はあろうかというケヤキの大木の林があって、そこで昼休みとした。葉をつけているときに、もう一度行ってみたいところである。
その後は、少々行きつ戻りつしたりしながらも、見覚えのある烏帽子岳西稜に出て、最後は藪尾根をこいで車のデポ地に戻った。
夜は思いもかけずご隠居宅に呼ばれ、チーズフォンデュをご馳走になった。大変おいしくいただきました。ありがとうございました。
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